神保町シアター「生誕110年 女優 杉村春子」『千羽鶴』『東京物語』『晩菊』


昨夜の地震で被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。 被害が最小限にとどまりますように…。

神保町シアター「生誕110年 女優 杉村春子」へ。  『千羽鶴』『東京物語』『晩菊』鑑賞。

『千羽鶴』 森雅之の父の愛人であった杉村春子と木暮美千代が繰り広げる女の愛憎劇といったストーリー。

う~ん、設定では森雅之・杉村春子・木暮美千代が何歳位なんでしょうかねぇ。

年齢を言う場面があったのかな。ぼんやりしてて聞き逃してたらスイマセン。 その辺がもう少し分かるといいかなぁと。

あ、でも愛人なんて若いかもしれないから息子と年齢が似たり寄ったりでもヘンじゃないか(笑)

因みに小暮美千代の娘役は乙羽信子でした。

この2人実年齢では6歳しか違わないようですが、ちゃんと娘に観えるんですよねぇ。これは凄い。

森雅之はこの手のはっきりしない(?)役どころがニンに合います。 控えめというか、内に秘めるというか、大人しいというか。グズグズするというか(笑) 以前も書いたのですが、「眼の演技」が良いんですよねぇ。 「この顔や立ち居振る舞いにはこの目だッ!」って感じ。当たり前か、当人なんだから。

小暮美千代は森雅之に惚れちゃって色々ちょっかい出したりします。 これが「いかにも」的な動きでちょっと笑えました。

でも、何とも言えない独特の色気があります。

「妖艶」とは違うんだけど。明るい色気てんですかね。不思議な魅力。

そして杉村春子は執念深い。これも実にニンに合う。 茶碗叩き壊すシーンなんかは恐ろしい位で…(笑) 暴走する母(?)を抑える乙羽信子がとても可愛らしく、そして控えめで奥ゆかしい。

この映画の中で一番良かったのは乙羽信子かなぁ。 当時29歳だったようですが、とてもとても…。

10代の娘っ子にしか見えないのは見た目もモチロンですが確かな演技力あればこそでしょうね。

『東京物語』

ストーリーは…。ご存知ですよね(笑) ワタシも4~5回は観てるんじゃないかなぁと。でも、スクリーンで観るのは初めてかも。新文芸坐で観たかな?

思い出せないので初めてにしときましょう。

最近だと、シアター356(自宅ね。笑)では原節子が亡くなってすぐNHK-BSで放映されたのを観ました

(10月くらいだったかな?)が、いやぁスクリーンで大いに堪能。

う~ん、ホントに良い映画だ。何回観ても良いモノは良い。

スクリーンで観たからでしょうか、自然に涙がポロっとこぼれるシーンが何箇所かありました。 ・母の葬儀が終わり、家族で食事をして山村聰・杉村春子・大坂志郎が帰るということになった時に

笠智衆が「そうかい。もうみんな帰るかい」と呟き酒を飲むシーン。 ・原節子が帰京する時に笠智衆が「妙なもんじゃ。自分が育てた子どもより、いわば他人のあんたの方が、

よっぽどワシらにようしてくれた。いやぁ、ありがとう」とお礼を言うシーン。 とにかく笠智衆の風貌・佇まい・口調。そして抑えた演技。

遠くを見つめるような眼差しとかとても良いんですよねぇ。諸々含めて素晴らしい。 そして、東山千栄子の眼差しは何とも言えず優しい。

終映後「親子って」「家族って」そんなことをふと思う。 親には結構苦労掛けたからなぁ、ワタシ…。噺家だし。 近々で土産を持って実家に顔出しに行こうかな。近いし。

こういう殊勝な気持ちを常に思えば良いんですが、なかなか…。 杉村春子を観てて「あ~、オレみたいだなぁ」なんて思っちゃいましたから(笑)

原節子は勿論ですが、香川京子と中村伸郎の優しさもじんわりと伝わりました。 あと、東野英治郎と泥酔するシーンは愉快。 で、酔っ払い2人に杉村春子がブツブツ文句を言うシーンで

「あぁ、ヤんなっちゃうなぁ」と何度も言うんですが、これはよくモノマネしてました。 これ書きながらも言ってます(笑)

この手の映画って少し前まではただ退屈だなぁと思いましたが、

最近は良さがしみじみと伝わってきます。心に沁みます。 風景なんぞも実に美しい。カメラワークも良いんですよねぇ。 デジタル・リマスターの威力も素晴らしい。

『晩菊』 金貸しを営む杉村春子と元芸者仲間の侘しげな日々を繊細に綴った名篇。

う~ん、杉村春子が良いなぁ。因業な金貸しが絶品。 憧れの男だった上原謙と再会するシーンでは「女」が前面に出てきまして。 襖を閉めて鏡を見ながら髪を整えたりしてる時に、

襖を開けられてはにかむところなんかは杉村先生の役どころでは珍しく(?)可愛らしかったです(笑) で、この上原謙は結局金の無心に来たワケで幻滅しちゃって…。

そして、上原謙がグズグズに酔っ払ってどうにもだらしない男になり下がるんですが、その落差が凄い…。

最初は艶っぽい目付きで杉村春子を見つめたりしてたのに(笑)。ちょっと笑えました。

それ以上に元芸者仲間で金を借りている細川ちか子・望月優子・沢村貞子がまた良いキャラクターで

この女優陣の演技の応酬が実に素晴らしい。いかにも「自然」で「こういう人が居そう」なセリフ回し。

特に望月優子は絶品です。 『二人の息子』の時は家族の間に挟まれる温か味のある母親役でしたが、

この映画では博打に明け暮れるやさぐれ女という役どころ。

この落差。でもどちらもニンに合う。凄い演技力(笑)。

好きな女優さんがまた一人増える。これも嬉しい。 自然に笑えるやり取りが何度も出てきて笑い声が場内に響きました。

ワタシの大好きな有馬稲子サマはとっても可愛らしく観ててニヤニヤしとりました。

杉村春子をやりこめるおきゃんな所もキュート。

しかし、望月優子と有馬稲子サマが母娘っても笑えますね。 加東大介は「ギューちゃん」と違って落ち着いた(?)役どころでした。

加東大介の芸域の広さに改めて瞠目。

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