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ラピュタ阿佐ヶ谷「OIZUMI 東映現代劇の潮流II」『東京アンタッチャブル』『悪女』


ラピュタ阿佐ヶ谷「OIZUMI 東映現代劇の潮流II」へ。

『東京アンタッチャブル』『悪女』鑑賞。

『東京アンタッチャブル』

宝石店を襲撃した兇悪犯が隠匿した宝石を捌くため脱獄。

殺人を犯しながら逃亡する。といったストーリー。

「そりゃねぇだろ」「そりゃムリだろ」「そりゃすぐめっかるだろ」とか

ツッコミ所満載の映画でした(笑)

ある意味そういうチープ(?)なところがかえっていいのかも。

でも、配役は脱獄囚役が丹波哲郎、刑事役が三國連太郎、

新人刑事役は高倉健、高倉健の恋人役が三田佳子、

三國連太郎(男やもめ)の行きつけのバアのマダム

(実はお互いに惚れ合っている?)役の渡辺美佐子等なかなか豪華なキャストでした。

丹波哲郎の脱獄囚って結構意外なんじゃないかと。 そう考えると丹波哲郎ってあんまり悪人ぽくないのかもしれませんね。 でも、後味悪くならないのはこの役者さんならではです。人徳なのかなぁ。

逆に三國連太郎は悪人っぽいんだなぁ(笑) あ、でも刑事役もハマってますからね。あはは、言い訳みたいだけど。 アクもあるし、ギラギラ感とか半端ないすよねぇ。 タバコのフィルター(あ、両切りなのかな)にキャップみたいなの嵌めて

スパスパタバコを吸いながら捜査するってのがいかにも「昔のデカ」という風でした。 人情派とかじゃなくて、荒っぽい捜査とかしそうなところ

(そんなに強引な捜査という描写は出て来ませんでしたが)も

役柄とニンにハマるんだろうなぁと思いました。 存在感は凄い。表情も良いんですよねぇ。

高倉健は正義感の強い少壮な若手刑事役にピタりとハマります。 風貌やセリフ回しもピッタリ。 こういう役どころは『飢餓海峡』を思い出しました。

渡辺美佐子は独特の色気がありますねぇ。 嫌味じゃない色気。でもゾクゾクっとしちゃいそうな眼差しとか。 好きなんです、ワタシ。

そうそう。高倉&三田コンビでデートをしてましたが、

赤プリのプールだったり後楽園遊園地だったりして

懐かしい光景を見ることも出来たのがちょっと嬉しい。 あ、そうそう。後楽園で駅の近くなのかなぁ。

大きな電光掲示板(かな?)に「お帰りは地下鉄で」って書いてあるのが懐かしくて…。 古い邦画を観る楽しみの一つですなぁ。

『悪女』

結婚資金を稼ぐためブルジョア一家の住込家政婦となった田舎娘が

やがてドロ沼の家庭劇に巻き込まれていくというストーリー。 想像以上に良かったです。が、愉快でもなんでもないドロドロしたストーリーでした。

主人公の田舎娘の家政婦役が小川真由美、

ブルジョア一家の後家役が高千穂ひづる、長男が梅宮辰夫、長女が緑魔子、

先輩家政婦役が浦辺粂子等ザ・ベストと言えるニンに合う好配役。

小川真由美の映画って殆ど観たコトがありませんでしたが

(『白い巨塔』『兵隊やくざ』くらいかなぁ)

いやぁ、コミカルでいながらシリアスでもある。

どんな役柄でもこなせるんですねぇ。芸域広いなぁ。 訛りもウマかったし、能天気で抜けてる感じもよく出てましたし

(ケラケラと高い声で笑うのとか良かった)

後半は復讐というか確固たる信念的なものが沸き起こってくる。

ガラっとキャラが変わるんですが、その演技力と表情にも引き込まれる。 で、またね。細くて小さくて顔も可愛らしいんですよねぇ。

緑魔子はわがままで意地悪な娘役がハマり役。 観ててムカムカしてくるんですよねぇ(笑) あ、そうそう。『銭ゲバ』でもそう感じました。 ちょっと小悪魔的な表情とか小馬鹿にしたセリフ回しとか独特な存在感。オーラが凄い。 しかもズーレーてぇ設定なのもいかにもな感じで笑えました(笑)

高千穂ひづるもこういう後家みたいな役にハマります。 ツンとしてて、ハラに一物も二物もあるという演技。 チラッと横目で見る表情とか色気。 立ち居振る舞いがキレイだし、正に「純和風な美人」。 高千穂ひづると緑魔子は当然仲が悪いんですが、

この2人の対決とかドロドロ感とか冷酷な感じが半端じゃない。

火花がバチバチ散るのがビンビン響いてきました。 「あ~、女同士のこういうのって面倒臭いんだろうなぁ」としみじみ思う。

何がしみじみだ(笑)

梅宮辰夫もチャラチャラ・ギラギラしてて軽薄なドラ息子役に合います。 これも観てて、ムカムカしたり、やきもきしたり。そう思わせるような名演。 やっぱり辰兄ィはギラギラがよく似合う(笑)

小川真由美の恋人役が北村和夫でした。 トラック運転手役で「ちょっとニンに合わないだろうなぁ」と思って観てましたが、

途中から違和感も無くなりました。 さすがですねぇ。

家政婦事務所の所長は杉村春子。 どんな役でもハマりますねぇ。 「ヤンなっちゃうなぁ」「困っちゃうなぁ」とかのセリフ回しが堪らん…。

「~~なぁ」ってセリフは色々な映画で観るんですが、よくモノマネします。

似てないけど(笑) 広島弁だと思いますが、さすがにウマい。そらそうだ。出身なんだから。

浦辺粂子も相変わらず良い味を醸し出しておりました。 ね、この文読んで「あ~、ニンに合う・ピッタリな配役」だと思いましたでしょ。

そう思って頂けるように書いてみました(笑)

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