ラピュタ阿佐ヶ谷レイトショー「日活アルチザン・山崎徳次郎の仕事」 『事件記者』『事件記者 真昼の恐怖』
ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー「日活アルチザン・山崎徳次郎の仕事」へ。
『事件記者』『事件記者 真昼の恐怖』2本立て。
いわゆる『事件記者』シリーズの第1作・第2作です。(全10作) 1本の放映時間が50分強なので非常にコンパクトですが、 スピーディーでテンポも良く楽しめます。
ロビーで開映を待っていると、見慣れた顔が。 柳家の某アニさんとバッタリ。お互いビックリ。
終映後一緒に飲みましたが、 アニさんは半端じゃない映画通・というかマニアでビックリ…。 色々な作品を片っぱしから観てるようで、さすがによく知ってるのね。 そういう話をしたことなかった。 ワタシなんかとてもとても。追い付かない…(笑)
この『事件記者』は大好きな作品だそうで (この作品の特集がある時は毎回全シリーズ通って観るそうです)、 色々こぼれ話(?)を教えてもらいました。 「『事件記者』ってさ、ソフト化もされてないから、実は隠れマニアが結構多いんだよね。 いっぱいになることがあったりするから、午前中仕事に行く前に整理券もらっといたんだよ」 なんて言ってました。因みに整理番号1番だった(笑)
山田吾一さんに亡くなる直前にお会いして 『事件記者』の話をした時のエピソードも面白かったなぁ。
「『事件記者』は「ワカ末錠」とタイアップしてるからさ (途中で何回もワカ末錠を飲むシーンが出て来ました)、 これやる時にテケツのところに小さいワカ末の瓶置いてあるんだよね」 なんてぇことも教えて貰う。 あ~、そうそう。そう言えば瓶が置いてあった。 「なんで置いてあんのかなぁ」なんて思ったんですが、こういうことか。 ふむふむ。味な真似しやがるなぁ、ラピュタ(笑) マニア心をくすぐるんでしょうねぇ。
アフタートーク(ちょっと違うか。笑)的に こういう話を諸々聞けると勉強になって楽しいなぁ。 落語の話はしなかった。噺家の話は少ししたけど(笑)
『事件記者』は新米記者・沢本忠雄や他社の新米・山田吾一のユーモラスな失敗談。 ヤクザの権力争いの事件がメインです。 そして、各社スクープを抜いたり抜かれたり。そんな群像劇。
『事件記者 真昼の恐怖』はライバル紙に先を越された沢村忠雄が 続発する殺人事件の真相を追う。そんなストーリーです。 闇の売血業者が出て来たり。時代ですねぇ。
レギュラー出演者が皆さんとっても良いんですよねぇ。 これ観るまで殆ど知らない役者さんばっかりでしたが、いやぁ。素晴らしい。
特に東京日報のキャップ役の永井智雄、クラブ最古参記者役の大森義夫がとっても良い。 若手を温かく見守る眼差しがとても優しい。そして優しさが滲み出る顔というか表情。
中央日日の新米記者役・山田吾一がコメディーリリーフ的な役どころで愉快。 キャップの高城淳一とのやり取りも楽しい。 「バッキャロー」ってよく怒鳴られるんだわ(笑)
他にも良い役者さんばっかりで上げるとキリが無い。
新聞社は5社だったかな。 記者連はライバル同士なワケですが、切磋琢磨。 騙したりして抜かれたり等もあるんですが、決して険悪にならない。 サッパリしてるんだな。
『真昼の恐怖』で他社に騙されて抜かれた沢本忠雄が憤慨して 当該記者(誰だったか失念…)に文句を言いに行こうとすると、 永井智雄に「バカヤロー。そんなみっともない真似をするな!」 と窘められるところも「あ~、こんな感じなんだろうなぁ」と。 それを大森義夫が優しくフォローする。このバランスが良いですよねぇ。
泊まり勤務の朝のシーン・煙草を咥えて電話に耳を当てながら取材内容をメモする・ みんなで出前のラーメン等を食べる・ (パーテーションで仕切ってあるだけなので)よその社に聞こえないように 小声でデスクに取材してきた内容をコソコソ話したり等々。 こういう所ってとても臨場感がありました。
ブン屋の熱い記者魂。そして火花散るスクープ合戦が堪らない…。
「『事件記者』シリーズは回を追うごとにどんどん面白くなるんだよ」 なんて言ってたからなぁ。全シリーズ制覇しようかなぁなんて目論んでます(笑)