文芸坐『人間の條件』全6作鑑賞
文芸坐『人間の條件』全6作鑑賞。
最初は「長いし(全篇観るとなると)、内容も重いだろうし、観ようかなぁ。どうしようかなぁ」と思いましたが、いやぁ。観て良かった…。 長さを感じずグイグイ引き込まれる。 壮大な人間ドラマ。
何より主演・仲代達矢の鬼気迫る演技がとても良かった…。 仲代さんのトークショーで撮影秘話を聞いたり出来たのも嬉しい。 「20代後半の足かけ4年にわたる撮影で映画における芝居を全て学んだといっても過言ではない」の言葉に唸りました。
豪華な役者陣の重厚な演技。 迫力ある戦闘シーン。 原野等での飢えでバタバタと死んでいく壮絶な敗走シーン等も克明に描かれているのではないかと思います。
特に、役者さんの顔が素晴らしいなぁと。 出征したことのある役者さんもいるでしょうし、役者もスタッフもみんな戦争経験者でしょうから、今作られている戦争をテーマにした映画とは自ずから違うんでしょうね。
愉快な映画ではないですから終映後、少々グッタリしました。が、表に出るといつものネオン街が目の前に現れて「平和の有難さ」や「食べられることの幸せ」をしみじみ感じました。
『人間の條件』とか『私は貝になりたい』とか『ゆきゆきて、神軍』とか。こういう映画は若い人にも観てもらいたいですね。