新文芸坐「脚本家・橋本忍 執念の世界」『ゼロの焦点』『砂の器』

April 16, 2016

 

 

 

新文芸坐「脚本家・橋本忍 執念の世界」へ。
『ゼロの焦点』『砂の器』2本立て。

どちらも大好きな松本清張の原作を読み、そして映画も観てるはずですがスクリーンでは初見。

そんなワケで、色々忘れてる箇所があったり、役者さんを失念してたり等々…。

 

『ゼロの焦点』
寒い北陸の光景や海岸線等が相まってより一層ストーリーに臨場感が増します。

そして音楽が効果的。

高千穂ひづるが良かったですね。特に後半の鬼気迫る演技。

「眼」に気迫(?)があって引き込まれました。
「のほほん」としたというワタシ自身の勝手なイメージがあるので、

このギャップがある意味凄いなぁと。

西村晃が高千穂ひづると旅館の一室にて相対するシーンで、

ズバズバと自分の推理を畳み込むシーンも印象に残る。

口跡が良いし、そして表情も素晴らしい。
追い込む西村晃・追い込まれる高千穂ひづるの対比がより一層浮かび上がって来ます。

ワタシの大好きな有馬稲子サマは「暗い過去がある汚れた女」という雰囲気と

「内縁の夫に会えるだけが唯一の楽しみ」という感じが良く出ておりました。
「快活な役どころ」が似合うだけじゃないんだなぁと改めて思う。

でも、どんなに汚れていても美しい…。

久我美子はいかにも「品の良い若奥様」で「汚れを知らない」って感じかしら。

その対極な存在なのが(かつての)高千穂ひづると有馬稲子ってワケなんですね。

娼婦の悲しい結末というのは『飢餓海峡』を思い出しました。
たかだか数十年前の出来事ですからね。今は随分と平和なモンです。

旦那役は南原宏治。これは完全に失念してました。
結構意外(?)な配役かなぁと。

ワタシは『網走番外地』のイメージが強烈なので(笑)。あれはイイすよねぇ。
旦那役はどっちかてぇと芥川比呂志や森雅之とかどうすかねぇ。

って、あはは。この前も同じコト書いてたな。

金沢の刑事役・織田政雄は想像通り(?)良い味を醸し出しておりました。

いかにも「昔の田舎の刑事」って感じ。
織田政雄が出てると嬉しいんです、ワタシ。あと、十朱久雄と沢村貞子も。

断崖絶壁のシーンは今よくある2時間ドラマの源流でもあるんですよね。圧巻。

 

『砂の器』
犯人や刑事の心理描写・差別や偏見・親子の放浪・言語学・季節の移ろい・旅等

色々なテーマが重厚な役者陣とテーマ曲に相まって引き込まれました。

刑事役の丹波哲郎が蒲田・秋田・出雲・能登・伊勢・大阪等を歩き回って捜査をする。

腕を捲って汗を拭き拭き聞き込みをして回る。
「暑さ」がとてもよく伝わります。

そして「暑さ」の表情はすなわち「難航する捜査」の表情なんでしょうか。

それ以上に加藤嘉の名演が素晴らしい…。
セリフは実際殆ど無いに等しいのですが、

表情のみで「絶望的な境遇」や「どうにもならない差別や偏見」等を見せるワケですから。

見ているこちらも辛い心持ちになるような名演に引き込まれます。
たまに見せる親子の情愛に満ちた笑顔も印象に残りました。

正義感の強い若手刑事の森田健作・人情味溢れる駐在の緒形拳・

圧倒的な存在感の佐分利信・土地の古老で何とも味のある笠智衆ニンに合う配役を大いに堪能。

チョイ役でも殿山泰司・花沢徳衛・春川ますみ・渥美清等が芝居を引き締めます。
そして、いかにも温か味のある学者然とした信欣三も良かったです。

悲しい役どころでもある島田陽子は美しかった…。好きなんです、島田陽子。

加藤剛も正に「美しい」という言葉がピッタリの風貌。
でも、罪を犯す人間に見えるような、見えないような…。

そう思わせるのはある意味狙い通りなのかもしれませんね。

実際「重く難しいテーマ」の映画で終映後に少しグッタリする所もあるんですが、

色々考えさせられる映画でしたし、143分という長さを全く感じませんでした。

涙ぐんでる方も結構居たようです。
ワタシは最後の捜査会議で丹波哲郎が

加藤嘉・加藤剛親子の境遇について涙ぐんだ所で少々ウルッときました。

この日はほぼ満員。

改めて、松本清張・原作の人気と引き込まれるストーリーを痛感。

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